当店について
すこやかに、しあわせにーー。
古今東西変わらぬ願いを込めて
人と人、人と自然を結んできた日本の御菓子。
食べものの味覚としての味わい以上に、移ろう時を、見た目や音から想像を広げてあじわう御菓子は、それだけをぱくっと食べる、そんな食べ方には決してならない、お茶と寄り添って、ほんの少し時間をかけて楽しむもの。
そんな御菓子に魅せられ、好きが高じてつくる一人になった汐音屋が一軒のおうちに出会って店としてひらくことにいたしました。
少し古い造りの、私の子ども時分には実家もそうだったなと懐かしく思うおうちです。
8畳の和室や土壁、高さのある上がり框(かまち)に奥行きが狭くて少し急な階段、開けるのに少しコツがいる引き戸の玄関。
そんな和の環境で自然とついた身のこなしや気遣いは、このおうちに縁ができた今あらためて、人と人の和を生み出すものだと感じています。
和の暮らしや季節の習わし、それに通ずる「道」のものが体現する普遍的な良さにふれてみる機会、その入口として、日々安寧を祈るように御菓子をつくりながら皆さまをお迎えいたします。
皆さまにとって良い出会いがたくさん生まれる場所に育っていきますよう願いながら。
2024年9月 汐音屋